遺跡の紹介
由岐町田井遺跡は、二つの尾根にはさまれた谷から流れる旧潮田川右岸の平地に突き出た山裾に位置します。本調査区の地名である「久保」は低地を表す「窪」に由来するといわれているように、遺跡は浜堤(ひんてい)背後に形成された潟湖またはその名残である後背湿地に面しています。
調査地近辺の縄文時代遺跡では、由岐町木岐で有舌尖頭器が発見されているほか、早期の上那賀町古屋岩陰遺跡、前期後半の相生町鮎川西ノ宮遺跡、中期前半の阿南市蒲生田遺跡などがあります。
調査のまとめ
1.県内で初めて、遺構を伴う縄文時代中期初頭の遺跡が確認されました。住居跡などは見つかっていませんが、集石遺構や火をたいた跡が検出されました。
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| 発掘調査地点 | 由岐町田井遺跡から田井ノ浜方面(南)を望む。 |
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| 発掘調査の様子 | 検出された集石遺構 |
2.石器には砂岩円礫を用いた多量の叩石・磨石に混じって、地元には産出しない結晶片岩やサヌカイトを用いた石器が目立ちます。土器では、胎土に結晶片岩や角閃石を含む他地域のものも出土しています。こうしたことから、吉野川南岸流域やその他の地域との関係がうかがわれ、海上ルートによる石材等の入手が想定されます。
3.水晶製線刻工具、三脚石器など全国的にも珍しい遺物が見られます。けつ状耳飾りは本県では石井城ノ内遺跡(石井町、中期後半)についで2例目の出土ですが、時期的にも古く、多量の出土は注目されます。
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| けつ状耳飾りの出土状況 | |
4.遺物量や種類から調査地点周辺には大規模な集落が存在するものとみられ、徳島県を代表する遺跡のひとつとなりました。遺跡は海岸に接した地点に位置しており、多量の石斧は舟の製作などと関連するものと思われますが、漁労具は出土していません。この点については今後の研究課題です。
遺跡のデータ
| 遺跡名 | 由岐町田井遺跡 | |
| ゆきちょうたいいせき | ||
| 所在地 | 徳島県海部郡由岐町田井字久保681−1他 | |
| とくしまけんかいふぐんゆきちょうたいあざくぼ681-1ほか | ||
| 北緯 | ||
| 東経 | ||
| 調査期間 | ||
| 調査面積(u) | 1220 | |
| 調査原因 | 一般国道55号日和佐道路(田井地区)関連埋蔵文化財発掘調査 | |
| 遺跡概要 | ||
| 遺跡の種別 | 集落 | |
| 主な時代 | 縄文時代中期 | |
| 遺構 | 集石遺構+焼土遺構+土坑 | |
| 遺物 | 石鏃+石匙+水晶製線刻工具+磨製石斧+けつ状耳飾り+縄文土器 | |
| 特記事項 | 県内で初めて、遺構を伴う縄文時代中期初頭の遺跡が確認されました。 | |
| 報告書 | 未刊行 ※2002年6月22日実施の現地説明会資料を参考に作成。 整理段階につき、資料等の転載はご遠慮ください。 |
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