遺跡の紹介
1.地理的環境
北原〜大法寺遺跡は、吉野川左岸中流域の土成町に位置します。土成町は、その平地部の大部分を鈴川谷川などの中小の河川によって形成された県内最大規模の複合扇状地に占められています。当遺跡が位置する鈴川谷川の扇状地は、扇央部を中央構造線の影響で成立した地溝状陥没地形によって東西に分断され、東側は北池になっています。
2.遺跡の概要
当遺跡の北西の高台には、弥生時代中期後半から弥生時代後期にかけての遺構が出土した北原遺跡があり、東側には前田遺跡、西側には大木遺跡などの弥生時代の遺跡が点在しています。今回の調査で出土した遺構、遺物は若干の古代・中世のものも見られますが、大半は弥生時代のものでした(遺構配置図)。検出された主な遺構は、竪穴住居跡1軒、土坑12基、柱穴28基で、焼土を伴った性格不明の遺構4基でした。遺構の数が少なく、密度も低いことや、遺構以外からほとんど遺物が出土していないことなど、前田遺跡を始めとするこの付近一帯の弥生時代の遺跡と共通する調査結果となりました。
| 調査区の様子 | |
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| 調査地点近景 | 調査区の様子 |
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| 遺構配置図(クリックして拡大) | |
| 竪穴住居跡 | |
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| SB1001はほぼ円形の形をした竪穴住居跡です。 床面のほぼ中央には、不整形の炉跡が検出されました。 |
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| 竪穴住居跡SB1001の完掘状況と遺構の実測図 | |
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| 竪穴住居跡SB1002での遺物出土の様子 | |
| SB1002は円形に近い形をした竪穴住居跡と思われます。 しかし、この遺構は通常の竪穴住居跡と比べると小型で、炉跡が検出されないことや柱穴と思われるピットが2つしか検出されませんでした。 遺物は床面からかなりの点数が出土しています。土器は細片が多かったのですが、石鏃や石包丁、石斧、砥石などの石器がまとまって出土しているのが特徴です。 このような特徴から、この遺構は作業場所など住居ではない竪穴状遺構とも考えられます。 |
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| 土坑と出土品 | |
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| 土坑SK1002の出土の様子 | |
| SK1002は焼土が広がることや形状、大きさでは小型の竪穴住居跡とも考えられますが、柱穴や炉跡が検出されないため、土坑と考えられます。遺物の出土はそれほど多くありません。 | |
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| 土坑SK1006の出土の様子 | |
| SK1006は長方形で検出されましたが、耕作土直下での検出であったため、上部はすでに削平されていた可能性があります。本来は、方形または隅丸方形に近い形状であったと考えられます。出土品も完形となる土器は少なかったのですが、何種類かの壺形土器の口縁部から頸部のあたりの部品や、マグカップのように把手がついている土器など注目される遺物が出土しました。 | |
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| 大量の土器が出土した土坑SK1010と土器,石器の実測図 SK1010では完形または完形に近い状態まで復元できる土器が非常にたくさん出土しました。土器の中には土器が完成した後で加熱されて赤く変色し、ぼろぼろになったものが多くありました。しかし遺構の中の床や壁面では焼けた様子がないため、この遺構に投棄される前に熱を受けていたと考えられます。 |
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| 土坑SK1011の出土土器 | |
| SK1011でもSK1010と同様に熱を受けた土器がたくさん出土しています。 | |
本調査では、遺構の数は少なかったのですが、一つの遺構からまとまって土器が出土したため、「一括資料」として捉えることができ、時間の流れを土器の形状で示す考古学の基礎となる情報を得ることができました。
遺跡のデータ
| 遺跡名 | 北原〜大法寺遺跡 | |
| きたはら〜だいほうじいせき | ||
| 所在地 | 徳島県板野郡土成町大法寺214他 | |
| とくしまけんいたのぐんどなりちょうだいほうじ214ほか | ||
| 北緯 | 340655 | |
| 東経 | 1342024 | |
| 調査期間 | 1990/04/28-1990/10/12 | |
| 調査面積(u) | 4890 | |
| 調査原因 | 四国縦貫自動車道建設に伴う発掘調査 | |
| 遺跡概要 | ||
| 遺跡の種別 | 集落 | |
| 主な時代 | 弥生/中世 | |
| 遺構 | 竪穴住居跡+土坑 | |
| 遺物 | 弥生土器+石器+須恵器+土師器+青磁 | |
| 特記事項 | ||
| 報告書 | 書名 | 北原〜大法寺遺跡・十楽寺遺跡・椎ヶ丸〜芝生遺跡 |
| 副書名 | 四国縦貫自動車道建設に伴う埋蔵文化財発掘調査報告6 | |
| シリーズ名 | 徳島県埋蔵文化財センター調査報告書第6集 | |
| 発行 | 徳島県教育委員会 財団法人徳島県埋蔵文化財センター 日本道路公団 |
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