タイトル貞光前田遺跡

調査地の様子 Dl 調査地の様子
 貞光前田遺跡は、美馬郡貞光町前田にあり、吉野川中流の南岸、南の山合から流れ込む貞光川下流域の扇状地、あるいは河岸段丘地のいりくんだ地形上に位置しています。
 縄文時代後期や古墳時代の初めの竪穴住居跡、平安時代の終わりから鎌倉時代にかけての堀立柱建物跡が、数多く見つかりました。
縄文の住居跡 D2 縄文時代の住居跡
 調査区の北東部から、縄文時代後期の竪穴住居跡が3軒見つかりました。縄文時代の竪穴住居跡は、県下でもあまり見つかっていません。
 北側の一部が溝に切られていますが、残っている部分から考えると、直径約4.5mの円形の竪穴住居跡になります。ここから縄文時代後期の土器や石錘が見つかりました。
石錘 D3 石錘
 平たく細長い丸みのある形が多く、石の上下にひもをつける切れ込みがあります。主に魚をとる網のおもりに利用されます。長さ6〜10cmくらいのものが10個ほど見つかりました。当時の人々が、吉野川や貞光川で、網を使い、魚をとって生活していたことが想像されます。
古墳時代の住居跡 D4 古墳時代の住居跡
1辺が約7mの隅の丸い方形の住居を、西側(写真では左)に約2m拡げたために、隅の丸い長方形になったと考えられます。
 この住居跡にすてられていた土器は、割れずに元の形をとどめているものが多く、300点ちかくあったことが注目されます。
住居内の土器 D5 住居内の土器
 300点ちかく出土した土器には、甕の中に壺5〜6個入れたままのものやミニチュア土器、底に直径5〜6cmの孔をあけて使えないようにしてある甕、そろばん玉の形をした土製品などがありました。
 土器の他、石錐、石鏃、勾玉も見つかりました。
こしき D6 こしき
 古墳時代の初めに作られた、食べ物を蒸すための道具です。ロ径は約18cm、高さは約11cmで、底に約8mmの孔があいています.この孔に布などを敷いたと思われます。
 水の入った甕などの上に重ねて置き、火を使って湯をわかし、蒸気を利用して米や粟、ヒエなどを蒸したのでしょう。